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口臭の原因物質VSCとは？

VSCとは、Volatile Sulfur Compounds:揮発性硫黄化合物です。　口臭の大部分は、口内のこのVSCが気化したものが原因です。硫黄化合物という名前の通り、卵が腐ったり、温泉や腐敗臭のような臭いが特徴です。
 
VSCの代表は3種類の物質です。
 

生理口臭・・硫化水素	口内の乾燥などに生じる生理的な原因。老犬や老猫の口内乾燥による生理口臭がある。
病的口臭・・メチルメルカプタン	90%が口内の歯周病、歯肉炎が原因。その他に内臓疾患な呼吸器疾患などの病気の場合もある。病原菌が生成する物質、炎症による膿などが主体
生活口臭・・ジメチルサルファイド	フードや飲食物中のにおい物質が血液を通して肺で気化して臭う。　動物では人のように生じる事は少ない

 
ここで重要な点ですが、ジメチルサルファイドは、食品やたばこ、酒に含まれていたり、体内での分解過程で生じる物質です。　
イヌやネコたちの場合は、人間のような嗜好品を食べるケースは少ないので、ジメチルサルファイドが原因の口臭は少なく、イヌ・ネコの口臭は、生理的口臭と病的口臭が主なものですが、その中でも大半を占めるのが病的口臭、そしての口臭の原因は、歯周病菌が生成するメチルメルカプタンです。
 

最強の口臭物質・メチルメルカプタンとは？

 
「メチルメルカプタン」は、歯周病菌が生み出す物質で、臭いの強さは、硫化水素の10-20倍であり、野菜や魚の腐ったような強い悪臭が特徴です。10-20倍の臭いの強さという事は、メチルメルカプタンは、硫化水素の1/10〜1/20程度の少ない量でも、硫化水素と同じにおいの強さとなります。
 
歯周病菌は、嫌気性（空気を嫌う）で、歯と歯茎の間の歯周ポケット内部で繁殖します。最初の段階は歯に歯垢を作る細菌（初期歯周病菌）が働き、歯の表面に生じた歯垢（プラーク）内部で、歯周病菌は増殖し、さらに中度、重度の原因菌が増殖すると歯茎が侵されて炎症が出たり、歯の根の部分を侵蝕して、骨を溶かすなどより重症化します。　この過程で菌が生み出すメチルメルカプタンが口臭の原因となります。　歯周病が進行すると、歯周ポケットもより深くなり、強い口臭の原因となります。